ノウハウ 作曲 雑学

作曲で手が止まった時に参考にしたい、ハリウッド作曲家の思考術

2018/04/05

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Jon Brantinghamさんはハリウッドの作曲家。

 

作曲で手が止まる時、どういう思考をすれば切り抜けられるのか。

 

今回、彼のブログがとても勉強になったので、原文の英語を僕の解釈を交えてご紹介したいと思います。

 

テーマは

作曲における創造的な問題の定義

と。なんか堅苦しい感じですが、作曲の時の思考法ですね。

 

技術的なノウハウではなく、心理的な部分のお話。

 

 

 

ドラマの作曲で膨大な数を作編曲

 

彼は今回、「Hilton Head Island」という作品を担当されたそうですが、曲数が膨大だったそうです。
(多分ドラマ)

 

なので

〆切を設定

コンスタントな作業量の強制的な確保

加えて、上記による

毎日新しいアイデアを出すということ

これらを実行することはユニークなアイデアをもたらす上でとても大事だったそう。

 

その際、ある曲に関して、いいアイデアが思いつかず、制作時間がすごく長くなってしまうと心理的とてもしんどくなるわけです。

 

で、そこから逃れるためには作曲を完了するしかないのですが、Jonさんはそれを

Finishing a piece is like going out for fresh air.

作曲を終わらせることは、新鮮な空気を外に吸いにいくようなもの

と表現していています、外国の人って面白い例え方しますよね。

 

When you finish a piece, both your conscious and subconscious minds can finally stop working on it as a problem. This is critical for coming up with new ideas.

曲が完成した時、あなたの心は意識的にも無意識的にも問題のある心理状態から解放されます。これは新しいアイデアを思いつくためにはとても重要なことです。

作曲の心理的負担は曲が完成した時、当然無くなっており、曲が完成すれば気持ちいわけです。

そして、それは「意識的」にも「無意識的」にも問題がなくなっている状態、これは

不快からの解放

と言い換えることができると思います。

 

このプロセスは新しいアイデアを思いつくためにはとても重要なことで、同時に

何かしらの創造的問題解決が行われている

ということが彼の言いたいことだと思います。

 

 

創造的問題って何? 

彼の文章を読んでいて気づいたのですが

「そもそも創造的問題って何?」

ことに関しては何も言及がないんですよね。

 

なので僕なりの解釈なのですが

「ある問題が無意識にあるのを感じつつも、それを明確に認識できない心理状態」 

と言い換えました。

テストで問題文は見つけたんだけど、ボヤっとして読みづらい感じ

以下、その理解で進めます。

 

 

創造的問題解決をしてる瞬間

 

例えば、電車で移動中の時に自分が作曲をしていると想定してみてください。

 

メロディーのフレーズを頭の中で歌ったり

どういう楽器編成にしようか考えたり

 

色々なことを頭の中でイメージしますよね。

 

その際

イメージが不完全で、先に進まずに何回も同じポイントをリピートしてしまうことはあるはずです。

(一回もリピートしたことないあなた、天才です、笑)

 

で、彼はこの「リピート」こそ、創造的問題解決と関係していると言ってます。

 

リピートすることで、脳みそが頑張って問題文を明瞭にしている感じ。

 

膨大な作編曲で気づいたもう1つの創造的問題解決の糸口

 

毎日、新しいアイディアを出すことは

何が自分にとって難しいのか

かを見つけるのに大変役に立つとのこと。

 

作曲の場合

・Aという部分は、これから面白くなりそうなアイディアが思い付く

・Bという部分は、面白くなりそうなアイディアが思い付かない

 

で、この

面白くなりそうなアイデアが思いつかない、心理的な困難さ

にこそ、作曲家として成長する鍵が隠されているそう。

 

例えば、問題文がボヤけてたり、字が小さくて読みづらいと目に負担が掛かりますよね。

 

 

 

創造的問題を見つけるということ

 

彼は映画音楽を制作する際、重要なのは「craft」という言葉を使って

ストーリーに沿った音楽制作

と定義してます。

 

例えば

スポンサーに予算がなくて、既存のライブラリーの楽曲を利用する場合。

 

そこには膨大な曲数はあるけれど、ストーリーに合わせて編集するには限界があります。

 

It will just be placed – not crafted.

作曲という行為よって、単に音楽を配置するのではなくもっと創造的、人間的な作業が可能になるということ。

 

映像引き立てつつも、音楽自体も魅力的。

この二つを両立させる点においては高い創造性が必要性で

困難さ」すなわち「創造的問題 = モヤっとして読みづらい問題文」があるわけです。

 

 

 

映画・ドラマの中で何回リピテーションは許容されるか

 

他にも「作曲上のモヤっとして読みづらい問題文」が潜んでいるシーンがあります。

 

例えば

その作品の全体で、ある楽曲を「何回繰り返して良いのか」という問題。

 

より具体的に言い換えてみると

 

・前のエピソードで使った曲をどのタイミングで再利用するのが効果的か。
 
・あるシーンの音楽で、1つのテイストでどこまで引っ張るか 
(オーケストラであれば楽器だったり、転調だったり、大きくリズムを変えずに)
 
 

 

上記を検討するときに心理的負担があればそれは「モヤっとした問題文」を見つけたことになります。
 

 

 

統一感を保ったまま、新しい楽器を加えるには?

 

オーケストラのテイストの統一感を決める要素はその編成自体にあります。

 

映画音楽のオーケストレーションは、映像に合わせて編成、メロディー、コード等々、頻繁に変化させる必要があります。

 

そして、映像が進めば進むほど、統一感は重要になってきます。

 

時間が立つほど耳が慣れていきますからね、変化を加えた時のインパクトはより「強く」なっていきます。

 

ただ、そのインパクトも奇抜な方法ではなくて、映画の雰囲気から逸脱しない統一感を保ちたいわけです。

 

ここにも「困難さ」があるわけで、「モヤっとした問題文が潜んでいるわけです。

 

彼は上記の創造性問題に取り組むために
 
オーケストラとの親和性の高いシンセのサウンドセットを組んでいるそう。

 

バイオリンの通常奏法から変化つける際に
ピチカート、ハーモニクス等をを利用するように
 
 
オーケストラで変化をつける際に
そのシンセサウンドセットから音を引っ張ってくると。

 

この視点はなかったです。

 

 

 

どうやってあなた特有の創造的問題を見つける?

 

ここまでは、「映像に付ける音楽」際の創造性問題について述べてました。

 

では、歌モノを含めて自分特有の創造的問題に気づくためには、以下の問いを自分にしてみると良いとのこと。

 

 

 

最後に書いた曲で、「簡単」な方法は何だったか?

 

例えば

 

・コピペしてトランスポーズしたら楽な上にうまくいったとか。

・シンプルに同音連打したらシンプルでカッコ良かったとか。

  

うまくいってるので問題なさそうですが、逆に言えば

簡単」=「思考がほとんど無い」ので

「モヤっとした問題文そのものをスルーしてしまってるかもしれないです」

 

 

 

一貫して取り組みづらいさを感じている構成的、創造的作業は?

 

例えば

 

・メロディー以外の楽器を決める際、いつも木管セクションの時だけ悩んでしまうとか。

・ストリングスアレンジをする際、いつもビオラの扱いに困るとか。

 

先ほどの

面白くなりそうなアイデアが思いつかない、心理的な困難さ

であり、「モヤっとした問題文」そのものですね。

 

 

 

メロディー、コード、楽器編成、リズムなど含めて、多用する手法、テイストはあるか?

 

例えば

 

・サビに使うコード進行がだいぶ偏ってるなー、とか。

・ドーンとインパクト出したかったらとりあえずOmnisphere立ち上げちゃうとか。

 

これもパターン化してる行動によって

解決すべき「モヤっとした問題文」に気づくチャンスを逃している可能性があります。

 

 

 

創造的問題を確認できたとして、その後どうする?

 

創造的問題 = 作曲上のモヤっとして読みづらい問題文」を確認することの効果は

スバリ、「創造的問題を認識できる = 問題文が読めるようになること」です。

 

無意識というだけあって、それが解決すべき重要な問題でも気づけないわけです。

 

もし、いつも同じメロディーを使ってしまうのが問題だなと気づけば

無意識に新しいメロディーが思いつく可能性を排除する方向に働く可能性があります。

 

また、テンプレート等、いつも同じテイストで作曲してるのを問題だなと感じられれば

テンプレートを見直して新しいテイストの音楽アイデアを模索することに繋がる。

 

それは無意識にあった可能性、選択肢を拾っていけるようになる。

 

 

 

無意識を意識化することで、選択肢が増える。

 

これらの創造的問題を解決出来れば

 

目の前の解決すべき問題(いつも意識的にやってる)
ex. (このメロディーはどうしよう?いつも通り通りヴァイオリンにやらせよう)

 

・新しいアイデアのきっかけとなりうる問題(無意識なのでスルーしてた)
ex. (いや、ここでもしティンパニがメロディーを担当したらユニークかも)

 

実は、この表裏一体の2つの問題がミックスされた状態だったということに気付けるわけです。

 

正しい問いを投げかけること」、これこそ創造性問題の特定と解決の方法ということでした。

 

 

 

まとめ

 

面白い切り口で作曲の可能性にアプローチしていて、大変興味深かったです。 

 

英語圏の文献とか情報だとそういうフワっとした話も体系立ててくれてるので有難いですね。

 

それと、大したことない英語力で、芸術家特有の表現を理解するのが難しかった・・・

 

(そもそも理解が間違ってる所がありそうなんで指摘してください)

 

 

 

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